赤ちゃんは順調に育っている?出生前診断

基礎知識

出生前診断とは?

2021年3月はダウン症候群の概要について説明しました。今回は出生前診断を紹介します。

出生前診断とは、赤ちゃんが生まれる前に病気や異常がないかを調べる検査のこと。これには脳や心臓などの臓器の異常を検査する「形態学的検査」と、染色体疾患や、そのリスクを診断する「遺伝学的検査」があります。

まず形態学的検査には超音波検査・MRIなどがあり、赤ちゃんの発育状況を検査します。一方、遺伝学的検査では、染色体異常の可能性を判断する「確定的検査」と「非確定的検査」があります。このうち非確定的検査には、超音波検査や母体血清マーカー検査、母体血胎児染色体検査などがあります。

新型出生診断(NIPT)の違い

また、国内では2013年から新型出生診断(NIPT)が導入されました。これは母親の採血のみで行われる検査で、リスクが少ないのが特徴。染色体疾患の可能性を調べる、非確定的検査に位置づけられます。精度の高い検査方法ですが、あくまで非確定的検査のため、陽性だった場合は確定的検査が必要となります。

そして、その確定的検査に用いられるのが「絨毛検査」(妊娠10~13週)と「羊水検査」(妊娠16~18週)。絨毛検査は胎盤を形成する絨毛組織を採取し、染色体や遺伝子の異常を調べます。多くの細胞を採取して検査するため、ダウン症の検査精度は100%に近いといわれています。ただし、対応している病院が少なく、羊水検査よりも死産・流産のリスクが高いそうです。

一方、羊水検査は母親のお腹に針を刺し、子宮の羊水を採取することで、胎児の染色体に異常がないかを調べます。胎児の皮膚や粘膜などの細胞を含めて診断します。染色体や特定の遺伝子疾患などを調べることもできますが、すべての異常を検査できるわけではありません。

羊水検査の前に注意すること

ここで一般に広く知られている羊水検査について、もう少し深く触れていきましょう。この検査方法は超音波機で胎児の状態や羊水量、胎盤の位置を確認。お腹の表面から細い針を刺し、羊水を採取します。そこから染色体の数や形状を検査します。状況によって異なりますが、問題がない場合は1時間程度で検査は終了します。また、保険適用外のため自費診療となり、費用は10~15万円前後が相場です。

そして注意しておきたいのが、羊水検査後の流産のリスク。1,000人に1~3人の割合で発生するといわれています。また、羊水を採取しても診断不能、穿刺後に出血や破水が生じ、入院が必要となるケースもあります。さらに穿刺の際に赤ちゃんを傷つけてしまったり、陰性であっても、出産後に染色体異常が見つかったりする場合もあるそうです。

こちらの記事は以下を参考に書いたものです。医師のカウンセリングを通して、実施してください。

【参考】出生前検査をお考えの方へ|東京慈恵会医科大学附属病院母子医療センター
出生前診断とは – 新型出生前診断 NIPT Japan

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