目的は安心して出産を迎えること。出生前診断に新制度

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「命の選別」に賛否両論

2021年3月、出生前診断について、新たなニュースが報じられました。厚生労働省の専門委員会は、国や自治体が妊婦らに検査に関する情報を提供する報告書を大筋でまとめたというものです。

産経新聞によると、2013年に臨床研究として始まった国内の新出生前診断は、2020年3月までに約8万7千人が認定施設で受診。染色体異常がわかった1437例のうち、1083例が妊娠を中断したそうです。子宮内胎児死亡が245例、妊娠を継続したのは57例と報告されています。

以上のように、陽性判定が出た妊婦の約8割が中絶を選んでいることから、命の選別につながることが問題視されてきました。そのため国は出生前診断(NIPT)を推奨していると受け取られないよう、積極的な情報提供を行ってきませんでした。しかし今回、初めて認定施設の審査に、国が関わる方針を明らかにしました。

新制度を設ける背景と目的

これまでは施設の基準を決める指針の作成は、日本産科婦人科学会(日産婦)の指針に基づき、日本医学会が認定してきました。正確な情報提供と、体制の整っていない無認定施設に妊婦が流れないようにする目的です。

これには出生前診断(NIPT)で、妊婦の血液を採取することで検査が可能になったことを機に、専門外の美容クリニックなども参入。十分な情報提供がないまま、中絶を選ぶ人が増えている背景があります。現行の母体保護法では、胎児の異常を理由とする中絶は認められていません。あくまで、出生前診断は生まれてくる赤ちゃんの分娩方法や、療育環境を検討し整えることを目的としています。

また、出産の高齢化により、検査に関する正しい知識を求める妊婦も増えています。体制を整え、正しい情報を伝えることで、安心して出産を迎えることが大切です。

ネット上の声を紹介

ネット上には出生前診断について、さまざまな意見が並びます。
皆さんは、どう捉えますか?

<賛成意見>
・ダウン症の子を育てる自信がない
・親(自分)の方が先に死ぬから、その先が不安
・染色体に異常があっても産む。心の準備ができるからいい

<反対意見>
・どんな子でも自分の子だから
・年齢的に次はないから

【参考】出生前診断の情報提供容認 厚労省、20年ぶり方針転換: 日本経済新聞
【主張】新出生前診断 国は母体保護法の尊重を – 産経ニュース

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