子どもとの出会いがきっかけで進み始めた「療育」の道

さらっこについて

学童保育から障がい者支援施設への転職

以前の自己紹介の記事で、学童保育から障がい者支援施設に転職したことに触れましたが、今回はその経緯についてお話しします。

学童保育では、日々のさまざまな出来事をとおして、少しずつ子どもたちとのかかわり方や対応を学んでいました。同じ日は二度と来ないと胸に留め、毎日を大切に充実した日々を送るなかで、わたしはある子どもとの出会いによって、新たな目標をもちました。

学童保育に勤務して4年目に入所してきた、新小学1年生のB君。自閉症をもっていました。自分だけのルールがあり、こだわりが強い。思いどおりにいかないと癇癪(かんしゃく)を起こし、衝動的に暴力をふるってしまう特性がありました。ほかと同じように、身の回りを整えたり会話をしたりすることはできますが、順番へのこだわりが強いこと、規定のルールよりも自分のルールを優先してしまうことなどから、度々トラブルが発生していました。

自分にはフォローできないもどかしさ

彼の課題は”とっさに手が出てしまうこと”。1度スイッチが入ると癇癪(かんしゃく)を起こし、切り替えられるまでに時間がかかります。わたしがもっと上手に対応できればよいのに…と力不足を痛感する瞬間の1つでした。彼の課題を克服する方法を学びたい、なにかできることはないのかと考えていましたが、そこまで踏み込むことができない自分の立場にもどかしさを感じるようになりました。学童保育には児童の安全を守り、適切な遊びや生活の場を提供するという役割があります。もちろんルールに従えなかったり、人を傷つけたりしたときは厳しく指導します。しかし、トレーニングをとおして、子どもたちをフォローしていくといった機能は、別の管轄になります。

子どもがもつ課題にもっと踏み込んでいきたい

その後、B君は学童保育と併用して障がい者支援施設に通い、週の半分は課題のトレーニングを受けるようになりました。少しずつ暴力をふるう回数は減り、彼の成長をうれしく思う反面、自分にはなにもできないことに情けなさも感じました。もっと勉強したい。そこでわたしは、学童保育とは異なる機能をもった「療育の道」へ進もうと決意したのです。子どもたちをはじめ、保護者、職員の皆さんなど、恵まれた環境にある学童保育だったため、後ろ髪を引かれる思いもありましたが、たくさんの方々に背中を押され、新しい道を歩み始めました。

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