[通所型]障がい児支援施設「放課後等デイサービス」とは?

障がい児支援施設

障がい児支援施設の種類はさまざま

子どもとの出会いによって、新たな道を目指したわたしは、障がい児支援施設のなかでも「放課後等デイサービス」を提供する施設に転職しました。「放デイ」と略されることもあります。今回は本サービスの概要について紹介します。

まず、障がい児支援にはさまざまな種類があり、大きく「入所型」と「通所型」の2つに分けられます。入所型は子どもたちが施設で生活し、職員が24時間体制でサポートしていくスタイル。一方、通所型は自宅で家族と生活しながら、都度、施設を訪問するスタイルです。

それぞれに以下の施設が紐づいています。
<入所型>
・福祉型障害児入所施設
∟日常生活における指導や訓練を中心に福祉サービスを行う施設
・医療型障害児入所施設
∟上記の福祉サービスに加えて医学的治療を行う施設
(対象:知的障がい児、肢体不自由児、重症心身障がい児)

<通所型>
・児童発達支援
∟日常生活における指導や訓練を中心に福祉サービスを行う施設
(対象:障がいのある未就学児)
・医療型児童発達支援
∟上記の福祉サービスに加えて医学的治療を行う施設
(対象:上肢、下肢または体幹の機能障がいがある未就学児)
・放課後等デイサービス
∟放課後や休日に、日常生活における指導や訓練を中心に福祉サービスを行う施設
(対象:就学している障がい児(幼稚園、大学を除く))
・居宅訪問型児童発達支援
∟障がい児の居宅を訪問し発達支援を行うサービス
(対象:外出が著しく困難な重度の障がいのある障がい児(重症心身障がいなど))
・保育所等訪問支援
∟保育所などを訪問し、集団生活に適応できるよう専門的な支援を行うサービス
(対象:保育所、幼稚園、認定こども園、小学校、特別支援学校など、子どもが集団生活を行う施設に通う障がい児)

放課後等デイサービスの特徴と活動例

通所をベースとする放課後等デイサービスは、平成24年4月に児童福祉法に位置づけられた新たな支援です。学校(小学1年生~高校3年生)に就学している障がい児が対象で、放課後や休日に、生活能力の向上に必要な訓練、社会との交流促進などをサポートしています。本サービスの特徴は、学校や家庭とは異なる環境を通じて、それぞれの状況に応じた支援を行うことで、子どもの人権を尊重し、健全な育成を図ること。さらに学校と連携し一貫性のある支援を行ったり、子育ての相談など保護者もサポートしたりしています。

基本的な活動を、わたしが勤めていた施設での活動例とともに紹介します。
・自立支援と日常生活の充実のための活動
∟日常生活に直結する買い物のし方や電車の乗り方を座学と実践を交えて習得
 グループ活動やペア活動を通したコミュニケーション力の強化
・創作的活動
∟季節の工作や、アイデアを活かした自由製作、マニュアルに沿った製作
・地域交流の機会の提供

∟地域イベントの参加、名産の果物狩りなど、地域の特性を活かした活動
・余暇の提供

∟カードゲームやボードゲームなど、ルールのある遊びを体験

実際にサービスを利用するには?

本サービスの利用対象者は、身体に障がいのある児童、知的障がいのある児童、または精神に障がいのある児童(発達障がいを含む)と定められています。
※手帳の有無は問わず、児童相談所、市町村保健センター、医師などにより療育の必要性が認められた児童も対象。手帳がない場合は、医師が意見書を提出することで「受給者証」が発行されます。

受給者証(障害福祉受給者証)とは、福祉サービスを受けるために市町村自治体から交付される証明書のこと。障がい名や程度を証明する療育手帳に対し、受給者証は福祉サービスを利用する証明となります。サービスの種類や利用日数などが記載されていて、国と自治体から給付が受けられます。

入所には受給者証のほかに「放課後デイサービス計画書」が必要です。こちらは障がい児通所サービスを利用する際に解決すべき課題や支援方針、必要となるサービスなどを記載した計画書。市町村の相談支援事業所に依頼すると専門員が自宅を訪問し、ヒアリングして作成します。サービス更新の際には、改めて計画書を提出する必要があります。定期的に目標達成度を評価し、支援を効果測定しながら計画を見直していきます。また、相談支援事業所を介さず、保護者が作成したセルフプランでも受付が可能です。(多くの場合、様式・記入例は市町村のホームページに記載)

また、負担利用料については上限額が設定されていますが、世帯収入によって異なります。国や自治体の負担額は9割で、基本的に利用者は1割程度を納めます。ただし、施設によって利用料のほかに、教材費やイベント参加費、おやつ代などを別途請求する場合があります。

【参考】障害児支援施策|厚生労働省

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