大人の発達障がいが増えている3つのワケ

基礎知識

大人の発達障がいが増加した背景

最近「大人の発達障がい」という言葉を耳にする機会が増えてきました。今回は、なぜ大人の発達障がいが増えてきたのか、その対応について考えていきます。

発達障がいは後天的ではなく、生まれつきの脳の機能障がいなどが原因だと考えられています。そのため大人になってから発症したのではなく、大人になってから判明した人が増えているといわれています。

大人の発達障がいが増えた背景として、まずは診断基準の変化が挙げられます。発達障がいの診断は、2013年に発表されたアメリカの精神医学会『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)に基づいて行われています。

この発表以降、診断カテゴリが細分化され、軽度から重度までの状態をスペクトラムとして捉えられるようになったことで、疾患の範囲が広がり、これまで難しかった診断も可能になりました。

情報量の増加と環境の変化

次に挙げられる理由は、認知度にあります。インターネットの普及により発達障がいという言葉が世間に浸透し、誰でも自由に情報を得られるようになりました。SNSなどで情報共有も可能になり、以前より格段に情報量が増加。これにより発達障がいの可能性を疑い、自ら調べられる手段が得られました。

また、幼少期には症状が出にくい状態であった場合、大人になるまで見過ごされたということも考えられます。進学や就職など環境が変化し、その環境が合わなかった場合や、自分の特性に向いていない仕事だった場合に、もともとの発達障がいにくわえ、うつ病などの二次的な問題が起こることがあります。

発達障がいかも?と思ったら

過去の記事でも取り上げましたが、発達障がいは、主に自閉症スペクトラム(ASD)注意欠陥多動性障害(ADHD)学習障害(LD)に分類されます。自閉症スペクトラムは、対人関係やコミュニケーションが困難で、こだわりの強さが特徴です。

ADHDの特徴は不注意や多動、衝動性です。忘れ物や失くしもの、うっかりミスが多い傾向があります。一方、LDは知的の遅れはないものの、読み書きや計算など、特定の学習分野に著しい遅れが見られます。

インターネットでも簡易的な診断やチェックリストがありますが、正しい診断には専門機関での受診が必要になります。もし受診する場合は、精神科や心療内科も可能ですが、発達障がいに詳しい医師が在籍する医療機関を選ぶことをおすすめします。また、保健所や「発達者障害者支援センター」なども、各地域に相談窓口が設置されています。

次の記事では、実際に元同僚が大人になってから発達障がいと診断された背景などについて紹介します。

【参考】はたして発達障害は増えているのか?│コンフィデンス日本橋 中央区日本橋の障害者就労移行・定着支援事業所

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