学校行事がたのしい思い出になる工夫

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子どもが学校行事が苦手な理由

コロナウイルスの影響で、さまざまな学校行事が中止になってしまいましたが、最近では感染予防をしながら、例年とは形を変えて行事が行われるようになってきました。しかし、発達課題をもつ子どものなかには、学校行事に苦手意識があり、本番でパニックになる、実力を発揮できないといった子もいます。特にコロナ禍では、急な予定変更などが増え、戸惑ってしまうことも多いでしょう。

たとえば運動会は半日に縮小される学校が増えていますが「限られた出番のなかでも楽しんでいる姿が見たい」「数少ない学校行事を楽しんで参加してほしい」と保護者の方も願っているのではないかと思います。今回は子どもたちが、少しでも学校行事を楽しめる方法を考えてみました。

本番をたのしめるための工夫

こうした子どもが学校行事が苦手な理由として、まず見通しが挙げられます。普段の授業とは異なるため、見通しがつかず不安になってしまうのです。遠足や校外学習では、事前に行き先の写真やホームページ、1日のスケジュールを伝えることで不安が軽減されます。また、当日も繰り返し次のスケジュールや時間を伝えることで安心して過ごしやすくなります。

たとえば、科学館などでは「このコーナーは○時まで見学します。○時になったら○○へ移動して昼食です」と、各コーナーごとで予定を共有。活動中にも「あと○分で○○へ移動します」など、随時声をかけると切り替えやすくなるでしょう。先生に協力してもらい、小まめに声をかけてもらうと効果的です。また、”残り○分”という制限は、普段から繰り返し伝えることで、時間の感覚を身につけていけるようになります。指示は文字やイラストなど、視覚的に伝えるのも効果的です。

運動会や発表会など人前に出る行事は、大きな音や視覚的な刺激も増えるため、不安になりやすい子どもが多いです。まずは、刺激を減らすことが、何より重要になります。大きな音への対策はイヤーマフを使用する、スピーカーの近くに近寄らないなど、苦手な刺激からは遠ざけるようにしましょう。その他、刺激の1つとなる暑さ対策や、子どもに入る情報量をなるべく少なくするといった工夫も重要です。

こちらも例年の映像や写真を見せて、当日のイメージをもたせてあげるとよいです。加えて、自分の位置や移動する場所に目印があると、安心して動きやすくなります。慣れない環境のなか覚えることが多く、毎日の練習で心身ともに疲れているため、普段より早く寝るなど十分な休息をとってください。

多くを求めない

また、目標を大きく定めず、無理のない範囲で参加できるよう学校と相談してみるのもよいでしょう。無理強いすると、学校行事が嫌な思い出として残ってしまいます。少しでも負担を軽くして参加できるよう学校と連携を図ることが大切です。

皆と同じようにできなかったことで、保護者も自信を失わずに、個人の成長を見つけていけると気持ちが楽になるかもしれません。逃げ出さずに自分の定位置にいられただけでも立派です。その場を離れてしまっても、いつもと違う雰囲気の学校に行けただけでも、本人としてはとてもがんばったのす。来年は、そこからもう一歩前進した姿が見られるように、今の最大限の努力を褒めてあげてほしいと思います。学校行事がいい思い出として残りますように。

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