医療の進歩によって寿命が長期化。「ダウン症候群」とは?

発達課題

「ダウン症候群」の概要

今回は「ダウン症候群(Down syndrome)」について紹介します。通常、細胞のなかには46本の染色体がありますが、突然変異によって、それが47本になった先天性疾患のことです。一般に2本のペアになっている染色体が、21番だけ3本あることから「21トリソミー」とも呼ばれています。

ダウン症は心臓や消化器に先天性の異常や、言葉や知的の遅れといった知的障がい、成長障がいを併発することがあります。知能指数(IQ)は、健常児が平均100なのに対して、ダウン症の子どもは50程度。また、低身長や首・指が短い、頭が小さく、両目は離れてややつり上がっているなど、身体的な特徴をもっています。顔の緊張度が低く舌が大きいため、よく口が開いたままのこともあります。

医療の進歩により寿命が長期化

発達の速度は緩やかですが、多くが普通に学校・社会生活を送ることができ、画家や演奏家として活躍している人もいます。さらに、以前は寿命が短いといわれていましたが、近年では治療法が進歩し、平均寿命は60歳まで上がったと報告されました。それはダウン症によって併発する病気の治療法が進歩しているからです。これによって心臓・消化器・甲状腺の疾患、糖尿病などは、薬剤や手術で共存していきやすくなってきました。

一概にはいえない妊娠の傾向

ダウン症の子どもは600人~800人に1人の割合で生まれるとされ、母親の年齢が高いほど発症率も上がるといわれています。しかし、年齢が若いからといって、ダウン症の子どもが生まれないというわけではありません。また、家系にも関係なく、誰でもダウン症の子どもが生まれることはあるのです。

出生前の段階で出生前診断、羊水検査などによって、ダウン症の子どもを妊娠している可能性が高いか判断することができます。検査の確率は非常に高いといわれていますが、100%を保証するものではありません。さまざまなリスクを伴うため、事前によく内容を理解することが必要です。

次回は「出生前診断」について紹介します。

【参考】公益財団法人 日本ダウン症協会|ダウン症のあるお子さんを授かったご家族へ

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